法華経とは

「法華経」はお経の王さま  日蓮宗の拠り所とする経典は「法華経」です。「法華経」は八巻二十八品といわれ、巻物にすると、八巻に分かれ二十八の章から成り立っています。「法華経」は前半の十四品の迹門と後半の十四品の本門の二つに分けられています。迹門とは、仏が人々を救うため、仮の姿(肉身)の仏として現われたものであり、本門とは真実の仏の姿(久遠実成の釈迦牟尼仏)とされています。
仏典の数は膨大ですが、なかでも「法華経」は究極のお経として尊ばれています。日蓮聖人は「法華経」の真髄が未世の衆生を救うため説かれたものであることを見いだしました。そして、
「日蓮は日本第一の法華経の行者なり」と述べ「法華経」のみを依経としたのです。そういう意味で、日蓮宗では「法華経」がすべてのお経の中心であるとし、それ以外の一切のお経は、すべて「法華経」に集約されるとしています。まさに「法華経」は「最勝経王」すなわち、諸経の王なのです。
「法華経」はすべての人々を救う 仏道修行に専念しても悟りに近づくことは簡単ではありません。しかし「法華経」では、仏教の修行の段階にかかわらず、お釈迦さまの教えをひたすら守り、その教えの真髄に近づこうとして希望を失わないならば、必ず救われるだろう、と説いています。つまり、私たち凡夫であっても救われると説いているのです。しかし、その救いは浄土教の説く来世ではなく、現世のものでなければならないとしています。
「お題目」の力は無限である ところで日蓮宗と言えば「南無妙法蓮華経」すなわち「お題目」です。
南無とは、自らをなげうって、その教えに帰依することです。妙法とは、妙なる教え、つまり語りつくせぬほどの尊い教えのことです。蓮華とは、救いを求めるところに悟りがあるという意味です。最後の経は、尊い教えという意味です。簡単にいえば「法華経」の教えを心から敬いしたがいます、ということでしょうか。
このように功徳のある「お題目」を一心に唱えるならば、仏と私たちの心は交流し、この身がそのまま仏になることができる、と日蓮聖人は説いています。
 
「お題目」は仏となるタネである  私たち凡人であっても、「お題目」を信じ唱えるならば、必ず仏になることができるのです。まさに「法華経」すなわち「お題目」は仏となるタネなのです。人は誰でも、このタネを持っているのです。このタネを豊かに実らせるためには、お釈迦さま(仏)、「法華経」(法)、日蓮聖人(僧)の三宝を敬い、日蓮聖人の説きあかされた「お題目」を唱えなければなりません。
しかも、今の信心が、未来の利益を約束し、つぎの世でも又、「法華経」をきくことができるのです。何度でも、生まれるたびに「法華経」を聞くことができる人になりたいものであります。「法華経」を信じ、お題目を唱えればこの世は浄土となるのです。
そして、
久遠の本仏(お釈迦さまの本体)とともにいる幸せをかみしめたいものであります。
 
唱題―心からお題目を唱える 「お題目」を唱えることを「唱題」と呼びます。「お題目」を唱えることによって生ずる功徳にははかりしれないものがあります。仏教には「六波羅蜜」という教えがあります。@布施(ふせ)−他人に施すこと、A持戒(じかい)−戒を守り、それを保つこと、B忍辱(にんにく)−苦しくとも、じっとたえること、怒りの気持ちを起こさないこと、C精進(しょうじん)−つねに努力をおしまず、全力をあげてことにあたる。正しい努力をする、D禅定(ぜんじょう)−精神の統一、心を静かにたもつ、E智慧(ちえ)−ものごとを正しく見据え、正しい判断力を持つの六つです。「六波羅蜜」は仏道修行の教えとしてよく知られていますが、実際にこれを実行するのは、きわめて困難です。
しかし「唱題」、すなわち「南無妙法蓮華経」を唱えることは、「六波羅蜜」の修行がすべて含まれている、とされているのです。したがって日蓮宗の「お題目」を正しく唱えるということは、難しい「六波羅蜜」の修行をしたことと一緒であるといえるのです。
この身が仏になる 仏教では昔からさまざまな修行が考えられ、実行されてきました。日本でも、宗派によって修行の方法は異なります。日蓮宗寺院で行われている唱題行は、日蓮宗の修行の形の一つです。「お題目」は、ただ漠然と唱えさえすればいいというものではありません。全身全霊をもって唱えなければなりません。「南無妙法蓮華経」と一心に唱えることによって、身(しん)・口(く)・意(い)の三業が統一されるのです。唱えかたは「恭音朗唱」−つつしんで、しかも腹の底から声を出す、「専念法音」−仏さまの心になるよう心と声を一つにするが基本。
こうして唱えれば、私たちの心と仏の心は交流して一体になることができるのです。
 

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