灌仏会(かんぶつえ)「花祭り」

お釈迦さまの誕生日(四月八日)をお祝いする日のことです。
正式には、灌仏会または仏生会、浴仏会、竜華会、釈尊降誕会とも言い、現在の四月八日あるいは、旧暦の五月八日前後に法会が営まれます。

日本書紀によると、十七世紀の初め(606年)頃に始まったとされています。仏教伝来は538年(552年説もあり)といわれていますから、それから六十年あまり経ってからのことなんです。

花祭りでは、お釈迦さまに甘茶を灌ぎ(そそぎ)かけるのですが、なぜかというとお釈迦さまの誕生を喜んだ龍王が、天から温かい水と冷たい水の、二種類の※甘露の雨を降らせたという伝説に因んだ(ちなんだ)ものと言われます。

※甘露の雨とは兜率天(とそつてん)「将来、仏となるべき修行者が過ごす」という所の天人(諸天)の飲み物で、それを飲むことにより、苦しみや悩みを癒して長寿になり、また死者を蘇らせることもできる、というものだそうです。甘味があっておいしいとされているので、きわめて美味なものを飲んだ時、「ああ甘露、甘露」というふうに言ったりします。

余談になりますが、甘茶にまつわる様々な「言い伝え」や「おまじない」があるので、少し紹介したいと思います。

・甘茶を硯(すずり)に入れて墨を擦れば(すれば)書が上達する
・紙に「白仏五言水」と書いて逆さにして玄関の柱に貼ると、蛇が入ってこない
・擦った墨で「虫」の一字や、「千早振る(ちはやぶる)卯月八日は吉日よ、神さけ虫を成敗ぞする」と書いた紙を柱や壁に貼っておくと虫よけになる。
・甘茶を木の葉につけて、家の周りに撒く(まく)とムカデがでない

こういった言い伝えやおまじないがあるそうです。一度お試しになってはいかがでしょうか。


花祭りで白い象が出てくるのは、ある夜、マーヤ夫人は眠っていると、六本の金色の牙をもった、真っ白な象が天より舞い降りてきて、自分の右脇から、何の痛みも伴わず体内に入ってくるという、とても不思議な夢を見ました、
この時マーヤ夫人は、お釈迦さまを身ごもったそうです。この言い伝えに基づき、お釈迦さまの誕生会の際には、白い象が用いられるようになったのです。
当時は、白い象が出てくる夢を見ると、尊い方が生まれる”しるし”だと信じられていました。


花御堂の中にいる、お釈迦さまが右手を上げているのは、生まれたばかりのお釈迦さまは、すぐさま七歩あゆまれ、右手で天空を指し、また同時に左手は大地を指して、「天上天下唯我独尊」(てんじょうてんげゆいがどくそん)と声高らかに唱えられました。まさに、こと時の様子を表しているのです。
「天上天下唯我独尊」とは「私という存在は、この広い宇宙の中(天上天下)で、ただひとりの存在(唯我)であり、このことを自覚し、この命を大切に生きることこそ、尊いものだ。そしてこの独尊(ひとりとうとい)というあり方は、誰もがみな平等に持っており、悟りに至る道は、誰にも平等に開かれていると、言われているのだと思います。
また、うまれてすぐに七歩あるく、ということは現実にはありませんが、七は六より一つ多いということ、つまり「人間が迷いの世界をグルグル廻っている六道輪廻(ろくどうりんね)・・・地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上の世界をすでに一歩超えられた人である」ということが示されているようです。

                                             

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